ポート便用時のポイント
中心静脈から抗癌剤を使用する場合の看護のポイントは、末梢使用時とほとんど 同じであるがポート使用時は、構造上・機能上から、さらに注意する点がある。
血管外漏出による皮膚障害は、患者に心身共に苦痛を与える。 漏出が原因で化学療法が中断されることは、病気そのものを悪化させてしまうの ではないかという患者の不 安につながり、漏出は医療ミスではないかと医療者への不満・不信感を抱くこと が多い。 医療者は、抗癌剤の漏出に対して細心の注意を払い、正しい知識・技術を身につ けておくことが必要不可欠となってくる。その上で患者からの訴えに対しては傾聴し 、誠意を持って対応すると共に、日頃から患者との良好な人間関係を保っていくことも重 要である。1)垂直な刺入
ポートの素材であるシリコンは、針先の断裂に弱いく、垂直に剌入する。 固定を安定させるためにも垂直な挿入は必要である。
2)血液逆流の禁止
血栓形成することを防ぐため、血液を逆流させてはならない。 ポート内に血液が溜まることがある。
3)定期的な抗凝固剤の注入
血液凝固による閉塞を防ぐため、定期的にヘパリンの注入を行う。
4)閉塞時の把握
ポートを穿刺し薬剤を注入する際、明らかに高い圧をかけないと入らない場合は 、閉塞を疑う。
5)固定方法
固定では、穿刺針を安定させるように注意しなければならない。
6)患者指導
ポートのずれを防ぐため、ポート挿人側の上肢は、常時肩より上に挙上しないよ う説明する。